衣服
地域と気候によって生活習慣同様大きく異なる衣服ですが、まずはアンデス高地の「チョリータ」を紹介しましょう。ラパスを歩いていると当然のごとく目にする民族衣装の女性たち。チョリータと呼ばれる彼女たちのいでたちは三つ編みに山高帽、房飾りのついた大ぶりのショールを肩にかけ、たっぷりレースのスカートにペタンコ靴。本来は男性がかぶる山高帽はいうまでもなくヨーロッパ文化から吸収されたものですが、頭のてっぺんから足元までバランスよく着こなしている女性たちの姿は、ボリビア文化の象徴であるともいえるでしょう。
言語
ボリビアではスペイン語に加えて、3つの先住民の言語を公用語に指定しています。年々先住民言語を話す人口は減りつつあるものの、バイリンガルの人口が約4割を占めている点は特筆するに値します。先住民言語のひとつ、ケチュア語はインカ帝国の時代の公用語であり、現在でもいわゆるアンデス諸国で何百万人の人々に話されています。ちなみに、ケチュア語は日本語やハングルと同じような構文で、ほとんど語順を変えることなく翻訳できることが多いのです。地球の反対側の遠く離れた国が少しは身近に感じられませんか?
コカ
ボリビアといえばチェ・ゲバラ最期の地とコカインというイメージが先行することも…。しかし、コカの葉は宗教儀式、病気の治療、疲労回復、高山病症状の緩和などその効果が珍重され、3000年もの長きにわたってアンデス地方で栽培されてきたものです。葉を煎じてお茶として飲んだり、そのまま噛んだり。体内を浄化する作用もあり、鉱山労働者がコカの葉をかみながら過酷な労働に従事することは有名です。葉そのものに依存性や精神障害を引き起こす作用がないのは言うまでもなく、コカは古き時代から人々の生活に密着してきた作物のひとつなのです。
カリャワヤのアンデス的宇宙観
「宇宙観」というと神秘的な印象をもつかもしれません。少々短絡的ではありますが簡潔に述べるならば、自然の神々への儀礼を中心とした健康管理といえるでしょうか。病気を身体のなかで起こる現象とだけ考えるのではなく、それをとりまく森羅万象とのバランス崩れであると認識します。ですから治癒するための処方の中心は、自然への感謝と宇宙とのバランスの回復のための儀礼に重きをおかれます。一見前近代的ともとられるこの宇宙観はユネスコが無形文化遺産のひとつに登録した歴史を超えた貴重な見地であるといえるでしょう。
アラシータス
毎年1月下旬にラパスで行なわれる行事で、自分がその年の幸福を手にすることを願ってエケコと呼ばれる人形に託します。方法は簡単、縁日で自分がほしいもののミニチュアを買ってその人形にぶら下げるのです。お札から車、庭つきの家、食材や卒業証書まで。それらを求めるラパス市民で縁日は大混雑しますが、人々は真剣にそのミニチュアを選びます。もともとアイマラの女性が多産を祈って身につけたというイケコ人形。伝統とかけ離れても、現在に至るまで息づいている先住民の文化には目を見張るものがあります。
祝祭日
キリスト教文化に基づいた日による祝日がほとんどです。
1月1日  元日
移動祝日 カーニバル(2010年は2月14日から16日)
移動祝日 復活祭(2010年は4月2日)
5月1日  メーデー
移動祝日 キリスト聖体の日(2010年は6月11日)
移動祝日 アイマラ暦の元日(2010年は6月21日・冬至。2010年から祝日となった)
8月6日  独立記念日
11月2日  諸聖人の日
12月25日 クリスマス
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