Morenada
「モレーノ」とはスペイン語で「褐色の肌の人」を意味します。このモレーノたちが踊る「モレナーダ」は、植民地時代初期にボリビアの銀山に導入された黒人奴隷の姿をモチーフに、彼らがオルーロやポトシといった当時の鉱山都市へ連行される際の苦渋に満ちた行進を描いた踊りとして広く知られています。スペインによる植民地化と搾取の中心であった鉱山地帯で生まれたとされるこの踊りには、奴隷の姿を真似ること裕福な階層の人々への風刺が込められているとも言われます。モレナーダの特徴でもある重厚で豪華絢爛な衣装は、奴隷ではなく奴隷主の財力を表し、仮面の飛び出した目やだらりと出した舌は、アフリカからの黒人奴隷が慣れない高地で高山病に苦しみ、疲労にあえぐ姿を表現しています。また、この踊りでは、奴隷の足に繋がれた鎖の音を「マトラカ」という楽器で再現し、彼らの重い足どりを、また時には鎖を引きずりよろめき倒れる様子を演出していると考えられています。
〔参考文献〕 Campos Iglesias, Celestino, Musica, danza e instrumentos folkluricos de Bolivia, 2005, La Paz: Producciones CIMA.  http://www.turismobolivia.bo/loader_es.php?n1=3&n2=4&n3=&n4=

この文章はUmezaki Kahoriさんに寄稿していただきました。
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