Tinku
ボリビアのポトシ県北ポトシ地方に「ティンク」という祭儀があります。「ティンク」とはケチュア語で「出会い」を意味し、隣り合う村同士が年に一度寄り集まり喧嘩をする祭りとして知られています。発祥は遥か昔にさかのぼると言われるこの祭りは、村の男たちが力を競い合う喧嘩祭りである一方で、男女の出会いの場でもありました。もとは領地争いとの説も、また民が信仰する母なる大地「パチャママ」への献身の儀式であるとの説もありますが、この祭りで大地に流された血が、翌年の豊作をもたらすと信じられています。この祭りをモチーフにしたのが「ティンク」の踊りで、ポトシから広まったとされるこの踊りは、現代ではボリビアの各地方で踊られるようになりました。衣装は北ポトシ地方の民族衣装が原型となった色鮮やかなもので、男性が動物の皮で作ったヘルメットを被るのが特徴的です。振り付けには喧嘩の形と思われる動作も取り入れられ、喧嘩が始まりどちらかが倒れるまでをひとつのストーリーとして組み立てた演出も多く見られます。
〔参考文献〕 Campos Iglesias, Celestino, Musica, danza e instrumentos folkluricos de Bolivia, 2005, La Paz: Producciones CIMA.  http://www.turismobolivia.bo/loader_es.php?n1=3&n2=4&n3=&n4=

この文章はUmezaki Kahoriさんに寄稿していただきました。
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